冷たい風がツンと肌に触れ
水は透き通り
木々は真っ裸
寒い寒い冬の姿
マフラー
手袋
コートに
耳あて
ほかほかと冬の姿
終わりから始まりへ
師走を感じる
街灯だけが
ぽっぽと照らす
細くて暗い帰り道
足音も影も白い息も
これは僕だ
僕しかいないんだ
冬の夜空を見上げた時
わけもなく涙がこぼれた
シャリシャリシャリシャリ
雪解けの道を歩む
シャリシャリシャリシャリ
何を想い 春を待つ?
シャリシャリシャリシャリ
足裏ひやり熱、冷めろ
貴方を繋ぐ雪解けの道
幸せの風が吹く
私を追って
立ち止まると
辺りはいつしかたんぽぽ畑
幸福の時間来たりて
そよ風は吹き続ける
ふわりふわりと綿毛を飛ばし
幸せを伝えて私を追って…
「ただいま」
と
緋色の空―
「おかえりなさい」
と
夜の街―
窓からキラキラと朝の日差し
おはようございます
朝ごはんと振り向く彼女
おはようございます
近所のおばさん
お散歩中のわんちゃん
笑顔飛び交う
太陽の下
青空見上げ
おはようございます
風吹きて
はらりはらりと
春の舞い
儚くも美しい
この一瞬に
人々は足を止める
私が作り出す私だけの世界
作り上げても入り込めない
所詮 幻は幻
今 頭にある魚も
触れることは出来ないが
頭と心で泳ぎ続ける
しとやかに艶やかに
所詮 幻は幻
私の想いのまま泳ぎ続ける
おそらにわたがし
ぽんぽんぽん
くもさんあしたも
きてくれますか?
おいしいふわふわ
わたがしもって
"お疲れ様"
公園の向こう側から
温かな旋律
ドヴォルザークの
家路に乗せて・・・
ビニール傘から見える
透き通った雨の街
雨粒に流され
今そこにいるのは
透明な自分
カーテンの向こう側
ゆらりゆらり
リズムに合わせ
光と影が交差をする
それはまるでショーだわ!
私を迎えているような
私を誘い込むような
薄い布で遮られた
向こう側の世界
私もお邪魔させて下さいな
がたん ごとん…
電車に揺れながら思う
蘇るのは楽しかった思い出の数々
がたん ごとん…
電車に揺れながら考える
これからの未来について
これからの私について
揺れて揺られて頭がふわりふわり
目的下車まであと一駅
もう少しこのままで…
がたん ごとん…
がたん ごとん…
電車に揺れながら眠る
窓に映るのは消えそうになる自分
ただただ虚ろな想いを胸に…
―おやすみなさい―
初めての出会いはどんなことでも光輝き目に映る
それもいつまで続くだろう
時間が経てばちらちらと見え隠れする黒い世界
どきりとしてしまうその一瞬
一度だけでは捕まえられない
そいつはいつやってくるのか